3時過ぎに仕事が終わり後片付けをしてる時だった。
80過ぎだろうか?お爺さんがお孫さんか娘さんに手を引かれながらコッチに歩いてくる。
突然、帰り支度の私の耳に口笛の音色が聞こえてきた。
なんとも味わいのある郷愁に満ちた音色なのだ。
「ウサギ追いし彼の山、小鮒釣りし彼の川・・・」
咄嗟にあたりを見回すと、その「演奏者」は手を引かれながら散歩中のお爺ちゃんだった。
足が不自由なのか、杖をつきながら手を引かれ、ゆっくりゆっくりの散歩だ。
でも、その口笛の音色の美しさに私は一瞬手を止め、目の前を通り過ぎて行かれるまでその口笛に聞き入った。
付き添いの女性もにこやかにお爺ちゃんを見守っている。
人生の晩年を過ごしているこのお爺ちゃん、きっと素敵な生き方をされたんだろうろうな〜・・勝手にそう思った。
あの「ふるさと」には、いったいどんな想いが込められてるんだろうか?
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昨日、台風の余韻が残る六本木で、お客さんと朝の8時半に待ち合わせをした。
台風という事を考えて、チョット早めに高速に乗ったら、思っていたより空いてて、約束の時間よりかなり早く着いてしまった。
青山通りのビルの前に車を止め、しばらく時間をやり過ごすことにした。
缶コーヒーを飲みながら何気に近くの歩道に目をやると、
車を止めた場所の近くには20台近くの自転車が止めてある。(ココが駐輪場かどうかは分からないけど・・)
昨夜から止めてあったのか、端っこの5台ほどが倒れていた。
(昨夜の台風で倒れたんだろうか?・・)そう思いながら見ていると、一人の若者が歩いてきた。今時の、茶髪で耳にピアスをし、背中にはリュックを背負って最近では何処にでも居そうな若者である。
倒れた自転車に近づくと、端っこから一台ずつ直し始めた。
ソレをみた瞬間は(あ〜、彼も一晩ココに止めてたのかな?)くらいに思っていた。
ところが、倒れている自転車を全部直し終わった彼は、自分の自転車に乗るでもなく、何事もなかったように私たちの車の横を歩いて通り過ぎて行った。
こんな世知辛い世の中、それも六本木のど真ん中・・・今時こんな若者も居るんだ・・・なかなか出来ない事だと思う。実際私は倒れている自転車を見てるだけで何もしなかった・・・。
いつの時代も「今時の若いヤツらは・・」と言う言葉を聞くけれど、なかなかどうして、人間を外見だけで判断し始めている愚かな自分を発見したことを反省すると同時に、なにかチョットだけ嬉しい朝だった。(^-^)
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2階から、ほんのりと薄化粧をした70過ぎのお婆ちゃんが微笑みながら手摺伝いに降りてくる。
「おはようございます」そう声を掛けると「おはよ。今日は暖かくていいわね!」という返事が返ってきた。
1階に降りてきたお婆ちゃんは、ある部屋のドアをノックしながら「お待ちどうさま〜」と声を掛けた。中からは同年代のお爺ちゃんが帽子を被りながらニコニコ顔で出てきた。二人の楽しそうな会話がコチラの耳に飛び込んでくる。
陽気がいいので、二人して花見がてらの散歩に出かけるらしい。
余計なことかも・・とは思ったが、あまりにも嬉しそうな二人を見ていてつい声を掛けてしまった。
「これからデートですか?」
「そう!お天気も良いし暖かいから、お散歩に行くの!」
返ってきた声は少女のように弾んでいる。
「気を付けて行ってらっしゃい。」そう言うと
「はい!ありがとう。」そう言いながら腕を組んで歩いて行く二人の後ろ姿が何とも微笑ましかった。
丁度去年の今頃、一人住まいの老人専用アパートでの出来事である。
人間幾つになっても忘れちゃいけないものは「か・き・く・け・こ」だと聞いたことがある。
「か・感動」「き・希望」「く・工夫」「け・健康」「こ・恋心」だそうだ。
どれ一つ欠けても、人生味気ないものになるのだという。
特に「恋心」を持ち続ける事は、当然それに付随する感動、希望、工夫、健康にまで影響を及ぼすのだそうだ。
スケベ爺、淫乱婆は別にしt(。 ゜☆○==(-- )バキッ
命短し恋せよ乙女 紅き唇褪せぬ間に・・
という唄があるが
命短し恋せよ爺婆 たとえハゲても入れ歯でも・・・(なんか生々しい);^_^Aアセアセ
恋するのは若者だけの特権ではないのです。(^-^)
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町田には全国区の大学がある。○○○大学・・・
○○○に文字を入れたら、すぐに分かる大学である。
毎年桜が蕾を付ける頃、仕事の関係でその大学の女子寮に出向くことがここ数年続いている。
その建物は、2階から上が女子寮で、一階、地下がスイミングクラブをメインとした
スポーツクラブがテナントとして入っている。
これは、今年の3月のある日曜日の話である。
お昼に、近くの中華屋さんで昼食を済ませ、1時前に女子寮に帰ってきた時である。
スポーツクラブに降りていく階段の所に飲み物の自販機があるのだが
その前で一人の小柄なお婆ちゃんから声を掛けられた。
「突然で申し訳有りませんが、10円玉をお持ちじゃないでしょうか?」
話を聞くと、彼女のお孫さんがそこのスポーツクラブに通っているのだが
どうしても会いたくて来てみたら、スポーツクラブが休みだったらしい・・
お孫さんに電話をしたいのだが、古いピンク電話なので10円玉しか使えないのだという。
自販機でジュースを買って、そのオツリで電話をしようとしたらしいが、悪いことに
自販機も故障中だったらしい・・・
ポケットの中を探ってみたが、あいにく100円玉が数個あるだけだった。
「ちょっと待ってて下さい、車の中を見てきますから。」
そう言いながら駐車場へ向かう私の後ろを、そのお婆ちゃんがついてきた。
アチコチ探してみたら、サイドポケットに干からびた10円玉を3個見つけた。
「30円で足りますか?」
そう聞くと
「はい、充分でございます。」
私なんかは使ったことがないような何とも丁寧な言葉の響きである。
その30円をお婆ちゃんに渡すと、引き替えに100円玉を渡そうとする。
「いいですよ、どうせ車の中で干からびてた30円ですから、それで電話して下さい。」
「そういう訳にはまいりません、是非コレを・・・」
と言って、100円玉を押しつけてくる。
「じゃあ、こうしましょう。100円は貰いすぎです。私はココに仕事で度々来ますから
もしお婆ちゃんが私を見かけたら、その時に30円を返してください。」
「そうですか〜・・・なんか申し訳ないです。名前は何とおっしゃるんですか?」
そう聞かれたので、一応笑いながらボケをカマしてみた。
「木村拓哉と言います。」
「そうですか、木村さんとおっしゃるんですね、分かりました。ありがとうございます。」
なんと、そのお婆ちゃんキムタクを知らなかった・・モノの見事にすべった。
そんなこんなで私は女子寮の中へ、お婆ちゃんは小走りで電話へ。
仕事が終わって車に帰って来た時である。ドアに紙切れが挟んであった。
開いてみると手紙である。女子大生からラブレター?まさか・・・
次のような文面だった。(原文のまま)
木村様
先ほど親切にしていただいた、山本と申します。おかげさまで電話をすることが出来ました。
この辺には長年住んでおりますが、見ず知らずの人にこのような親切を受けたのは
初めてでございます。この手紙と一緒にお金も同封しようと思いましたが、
絶対にお会い出来ることを信じて、お会い出来たときにお返ししたいと思います。
今日はホントにいい日曜日になりました。ありがとうございました。 山本
たった30円のことで、何とも律儀なお婆ちゃんである。こちらが嬉しくなった。
「木村拓哉です」などとボケるんじゃなかった・・・
来年、桜が蕾を付ける頃、またその女子寮に行くことになると思うが
あの律儀なお婆ちゃんもまた孫に会いに来るのだろうか?
もしその時私を覚えていたら、おそらく「木村さ〜ん!」と呼ぶのだろう。
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